
的な裏付けが大きな要因になっているといえる。入門科目の設置は北陸大学の政治学科における「基礎行政学(行政入門)」や後述する山梨学院大学の行政学科における「政治行政入門」など新しい傾向である。なお、明治学院大学、大東文化大学においても複数の行政学関係のスタッフを採用している。
少ない事例だけで判断するのは危険かもしれないが、このような傾向は狭義の政治学と行政学がカリキュラム上ほぼ同等に扱われてきていることを示しているといえる。従来の政治学科といえば、当初より海外の「地域圏研究」を重視している慶応義塾大学法学部等の例外を除き、政治理論、政治史、政治思想史の関連諸科目に偏向していた。この事実を批判するつもりはないし、むしろいきなり行政学の各科目に手をつけるよりは権力論、制度論等の基礎を修得する必要があるともいえる。ただ、今までは現代国家の諸現象を考察するにあたり行政機能の諸側面の重要性が強調されているにもかかわらず、大学側がそれに対応していなかったというべきであろう。
3. 在来学部における「新学科」の設置
前節において、新設の政治学科では当初より行政関係科目が重視されていることが明らかになったが、90年代に入るとさらに法学部等の学部で行政・政策関係の学科を新設(あるいは改組)するという傾向がある。その主要な大学はつぎのとおりである。(また、考察の対象からは除外するが、法政大学の社会学部では、社会政策科学科を1996年に設置している。)
1991年 山梨学院大学法学部行政学科
1993年 北九州大学法学部行政学科
1995年 神奈川大学法学部自治行政学科 新潟大学法学部法政コミュニケーション学科
1996年 山形大学人文学部総合政策科学科 金沢大学法学部公共システム学科 愛媛大学人文学部総合政策学科
ここで明らかなことは、国立大学における改組新設が目立つことである。これは教養部
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